4.9.19

夏へのトンネル、さよならの出口 感想

夏へのトンネル、さよならの出口 (ガガガ文庫)
八目 迷
小学館 (2019-07-18)
売り上げランキング: 11,757



これは面白い作品だった。

失ったものを手に入れられるトンネル、という都市伝説を聞いた主人公。
それを実際に発見する。


エンディング周辺は君の名はみたいな感じだったが、
ただ待っているだけの新海誠勢とは違いを感じた。





主な登場人物


  • 主人公
    • 父子家庭。妹を亡くしている
  • ヒロイン
    • 東京から引っ越してきた。特別を目指している。
  • 主人公の悪友
  • クラスの女王
    • 本当は優しい(?)が、意地っ張りで女王をやっている。




あらすじ

ウラシマトンネルという噂を聞いた主人公。
トンネルに入ると望んだものが手に入るが、気づいたら時間が過ぎているらしい。
かつて自分のせいで妹を失った主人公は、妹(及び妹の居た頃の家庭環境)を望む。

同時期に都会からヒロインが引っ越してくる。
ヒロインはそっけなく、クラスに馴染もうとしない。
当然女王に目をつけられるが気にもとめない。


ある日ウラシマトンネルを発見してしまう主人公。
トンネルから出ると、外の時間が大きく経過していることを知る。
ヒロインにもトンネルの存在がバレ、二人で調査をしていく


という話。





良いところ

トンネルを調査し仕組みをみつける。
時空が歪むポイントを調べるために、2人が紐を使うところは良かった。まるでブラックホールに落ちていく人を見るかのようだった。この話はもう少しやってくれても良かった。


クラスの女王のキャラ立ちはとても良い。
素直だから女王だったし、素直だからいい立ち位置にいた。


まるで呪いのようだった。
トンネルに入ったところで、失ったものを手に取れる。
つい気を取られ、時を忘れて滞在してしまいそうな。
一つのホラーかと思った。


気になるところ


一番気になるところは放置された妹の遺品だろう。
父親にとって失くしたい過去なのかもしれないが、わざわざ主人公が戻ってくると思って連絡先を残すだろうか。
主人公ごと抹消したいだろうに。

祭りに母親がわざわざ来ていたのも謎である。こんな田舎までわざわざ。

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