10.11.24

父を老人ホームに見送った

老人ホームと行っても介護付きのものを指す。

介護の人手は少ないと聞く。
老人ホームに支払う原資はおそらく年金。
資産家なら高い施設に入れられるだろうが、そんなに資産家はいるんだろうか。
sgdnにはそんな金は無い。

多くの家も年金+家族の稼ぎなので介護の賃金は簡単に上がらないだろう。


なぜ介護付き?

父はもう自力で歩くことが出来ない。
それぐらいやせ細っていた。
昔は山登り?ハイキング?とかをしていたらしい。

介護付きとなると周りは80後半が多いようだ。
その中と比べるとsgdnの父は若い方。
周りの80代後半でも歩くことが出来ないのに。
新しく入ったsgdnの父は若いのに歩くことも出来ない。

2022年の平均寿命は男81際、女87歳らしい。余命じゃなくて寿命なのでこの件で見るのは不適切な数字かもしれない。



良い父だったのか?

世には虐待死させるような親もいるので、そういう意味で「悪い」父ではなかっただろう。
だが、良い父とは?
小説とかなら父は寡黙で背中で語ったりするだろうが(昭和の価値観)。

父は仕事をしているので休日は出かけたりした。
家族を連れ出したりしたが、sgdnは連れ出されるのが嫌いだった。
迷惑なので行きたいなら一人でいってほしい

親は「子供に見せたい」とか思うのだろうけど、
そんなの親の我儘で迷惑でしか無い。

1世代分(?)、年齢も違うので話は合わない。生まれた場所も違う。
親は生まれた頃から子供の事を見ているつもりだろうが、
全然分かってない。
親の心子知らずであり、子の心親知らず。


sgdnは死ぬところだった

sgdnは入院するぐらいのことがあった。
死ななくて良かったね。良かったか?死ねば楽になれたのに。

入院してると患者視点が分かる。


sgdnのnarcissu

老人ホームに入った日に同行した。
施設の館長?管理人の印象的だったのは
「我儘をどんどん言いましょう」と父に言っていたことだった。


とも先生が入院側だったことがあるのか知らないが、
narcissuでも患者の我儘は重要な要素だ思う。
登場人物達のような無力感とは違うけれど。
老人ホームは7Fと共通する要素がある。
死を待つ場所。それも介護が必要な人の。


見送った日、sgdnの家族もいたが悲しんでるのはsgdnだけだった。
そう見えないだけだったのか、見せてないだけなのかは分からない。
sgdnが勝手に老人ホームに入るのが「終わり」だと思っているだけなのか。


世界と少しずつ切り離される

なぜ今こんなことを書いたのか。たかが老人ホームに入っただけで。
死んだわけではないのに。

だが、sgdnにとって一つの死だ。
一時的に施設外に出ることもできる。病院ではないので家族が付き添ってれば許可はいらない。
だが自分の意思では出られない。
施設の扉はスタッフが操作しないと開かない。徘徊老人が勝手に出ないようになっている。
もう閉じてしまった世界に入れられたのだ。

携帯電話は持ち込めるので話したければ話せる。



刻石流水

sgdnが死にかけたとき、心配して父は色々動いていた。
親だからかはわからない。

昔のビデオカメラ(テープ)から、再生しやすいように取り込んだデータを見ていた。
全然覚えていない。父の撮ったsgdn達の動画があった。
どういう思いで残したのかは分からない。
sgdnは連れ出されるのは迷惑だったが。

子供の為なのか、自分の我儘なのかわからないが恩を感じていない。


老人ホームを選ぶ父

父は何度か入院を繰り返した。
退院するたび少しずつ弱っていく。

入院して容態が安定したので退院することになった。
父は自ら老人ホームを探してくれと言って入った。
ずっと病院にいられるなら保険が効いてやすいのだが

家に戻ることはできるが、戻ったところで家の中では歩けない。
一人でトイレにもいけない。
家は無理だ。家族に迷惑をかけたくないとなると老人ホームに行くしか無い。

ヒトは生まれた時は何も出来ず、一人でトイレもいけない。食べ物も口に入れられない。
成長すれば自分でできるようになる。
そして、老いたらまた自分では何もできなくなる。
今の父は出来ないことが増えていく日々。

昔は介護なんていらなかっただろう。
動けなくなる前に死んでいた。医療が進むのは良いことなのか。


写真は残した方が良い

写真は昔フィルムだった。
今のデータのカメラで残すようになったのは2005~2010年ぐらい?
今の方が手軽だが、昔もそこまで写真は難しくなかった。
記録できてればいい。ブレててもいい。きれいな写真である意味はない。

写真を撮る側になると、写真の見方が変わる。
わざわざ親は子供の写真を撮ったんだな、と思う。
してもらったことは覚えてないけど、そこにあったことが残っている。

写真なんて、思い出なんて次の世代には残らない。
先祖がどんなことをしたか、どんな思い出だったかなんて伝わらない。
本人たちの中にあるだけ。要らなければ捨てればいいだけなので、あって困るものではない。

何かの物語で、フィルムで撮った写真を印刷して持っていく頃には病気が進んでいるのでとらない方が良い
みたいなことを言っていた気がする。
別にいいだろ。
何でも写真に撮っておけばいい。

残すのは親を写した写真

親が写真を撮るので被写体はたいてい子供だ。
だが親を撮っておいた方が良い。子供のために

子供が自分が写った写真を見て、成長を感じる…よりも、
昔の親がどうだったのかを確認できるようにしておいた方が良い

もし、子育てしてる知り合いや家族がいるなら、子育て中の親の写真をとってあげるとよい。
その子供に写真を見せることは難しいが残しておきたい。
将来見せるのが望ましい。印刷して親に渡しておくのが早いか?
親は自分の写っているものを自分では印刷しないだろう?


我儘は言っても良い?

父に振り回されたことをsgdnは覚えている。
父がsgdnを思ってやったのかはわからないが、結果は迷惑なことに変わりはない。

でもsgdnは出来ないことの悲しみは分かるから、入院して死ぬかわからない気持ちになったのは家族の中でsgdnだけだから。
narcissuが寄り添ってくれる思いを知ってるから。

我儘をいう分には言えばいいと思う。叶えられるか、叶える気があるかはその後の話。
ここから先はsgdnの我儘を通させてもらう。




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