中学二年生の主人公が、ある日突然屋上の水たまりで泳ぐ少女に出会う、という話。
始めは普通の世界だ。だが、話が進むにつれて世界が変化していく。
世界の変化に気づくかどうかは人次第。
伏線は張られているが別に気付かなくてもいいや、という感じ。
シュタゲの様な「変化した部分が重要」というわけでもない。
2回読めば気づくけれど、そこまででもない作品だ。
「伏線気づいてくれ」という書き方でもないので、
ただなんとなく読むだけで良い気もする。
主人公→ヒロイン→親友
という一方通行の恋愛事情。そして死亡エンド(もともと死んでいたが)。
車通学してたのになくなった等、読者世界改変に気付けるが、
「主人公は自覚できない」という視点で書かれているのでインパクトがない。
設定の発想は良かったが、全体的に退屈な印象だった。
運命探知の魔眼のないシュタゲを作ったとしても、そっちのほうが面白いだろう。
物語
世界は変化していくが「水源」のある世界が主になるだろう。
ところでヒロインの名前は「水原」だ。
担任が「大森」「小林」と揃えてきてるので、この辺も狙って遊んでいるのだろう。
旧校舎屋上にある水たまりでは、潜ることで世界を変えることが出来る。
ただし、具体的な変更点を指定しなければならない。これをパドルという。
水源は海にある。海の水を吸い込み、定期的に吐き出す。
その吐き出した水は川をさかのぼり、再び海に流れ着く。
すごい仕組みだ。
そもそも「水源を作りたかった」ではなく「雨を消すために水源を作った」のだが。
雨がなくなった世界では、「雨」という漢字もなくなった。
その世界では「電話」は「伝話」と表記されている。
物語は「親友の母親を救う」を目的としている。
交通事故が原因なら雨をなくし、
脇見運転が原因なら携帯電話をなくし、
それでも交通事故が起こるので車をなくす。
だが、車をなくしても母親は死んでしまう。
ここにアトラクタフィールドがあるのか?と思われたが…
「旧担任が新担任を殺したのを隠すため」に母親が殺された事をつきとめ、
校庭に木を植え、新担任が落ちても死なないようにした。
これで解決と思いきや、ヒロインは「水源を作ったせいで多くの人が死んだ」と、
全てなかったことにすると言い出す。
小林もヒロインも、パドルによる世界改変で生き返った存在だったのだ。
ヒロインは親友母の夢を長電話で聞いたし、
小林の夢の話をしたのは主人公だ。
主人公も世界を戻す事に賛同。
しかし、パドルは実行者しか世界改変の記憶を引き継げない。
ヒロインを忘れたくない主人公は、自ら世界改変を行うと主張。
水たまりのあった旧校舎屋上にプールを作る。
結果、小林は屋上から突き落とされなくなる→小林生存
大森は口止めする事件を起こさない→親友母生存
そして、泳げない親友・ヒロインは元のままで、ヒロインは小学生の時に行方不明。
そのまま物語は終わる。
世界改変メモ
元の世界- 親友、水泳教室をまともにする(ヒロインが復活する)
- 水源を発生させる(雨がなくなる)
- 車がなくなる
親友転校
- 携帯電話がなくなる(主人公、ヒロインを目撃)
- 公衆電話にお釣りシステム
- 飛行船システム(すぐにリジェクト)
- 校庭に木を生やす(新担任・母親生存)
- 龍を作る
- 世界を戻して水溜りの代わりにプールを作る(天文学部の消失)
順番については曖昧。
中学2年生の8日間の出来事、と宣伝されていたが。おおよそそんな感じなのだろう。
その他
元の世界でヒロインはいつ死んだのか?
→改変後の世界では「小学生の頃から行方不明」と書かれているのでその時期では?
旧担任、親友両親は同学年?
→親友父に憧れて母は卒業時に告白、という文もあったが、3人は同級生とも書かれていた気がする。世界改変の結果か?
旧校舎の屋上にプール作っても取り壊されて終わりでは?
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